千駄木藪下通りとおばけ階段の事件(前編)からの続き
「ちょっと、杜を見てくるよ」と坂道社長は言い、奥の方まで歩いて行きます。わたくしは、ぼんやりと杜を眺めていると、ブッシュの中から大きな人影が!\(>o<)/キャー!
「あらぁ〜、ワトソ子くんじゃないのぉ〜、今日はお一人?」
あらまっ、ビックリ!酒席において、坂道社長と乱闘したという天敵「ガンダム女史」です。
「はっ、はい、一人です」とわたくしは坂道社長を守ろうと咄嗟に嘘をつきます。
「今ねえ、お散歩仲間のギリギリガールズと探索中なのよぉ。お仲間とはぐれちゃってさぁ。あっ、ガールズの姉御がいたわぁ、んじゃあ」
「では、また」ε=(>ε<〃)ホッ。

わたくしもこの方、少しだけ苦手ですわ。ギリギリガールズ(区境を歩くご婦人たちの会)とご自分で言うのも、なんとなく納得できませんものぉ。あらっ、坂道社長がやっと帰ってきました。
「ん?ワトソ子くん、誰かと話してた?なんだか関取みたいな人影が見えたけどぉ?」
「いえ、気のせいですわ……」
「そうかいそうかい(=^ェ^=)」
わたくしが救ってあげたのを、この男は知らず。幸せ者ですわ。
黄色いテープの家
おばけ階段下のお化け屋敷みたいな古い家には、まだ、黄色いテープが少しだけ残っています。
いったい、どんな事件があったのでしょうか?。
坂道社長は関心をそらすかのように、関係のないことを言いだします。
「ワトソ子くん、それにしてもデカいねぇ〜、それだけ大きいと歩幅も長い、走らなくていいわけだ」
「坂道社長、あたしのこと、六尺五寸(190cm)の大女とか、書いてるでしょ!あたしは182cmしかありませんことよ」
「あはは、四捨五入だよ」
四捨五入になっていません囧rz。
この野郎、わたくしをイジって楽しんでいるのでしょうか。
頭にくるぅ〜。わたくしが高いのではなく、坂道社長は背が低くて、おまけにガニ股なだけ。ガニ股をラン友に指摘されたと悩んでいましたが、治るわけございませんわ。
「懐かしいねぇ、去年(2015年)の6月終わりにココ来たねぇ」
「坂道社長、そんなことより、黄色いテープの件です」
「ああ、すでに調べてあるんだよ、ある筋から……ほらっ」
と言ってスマホの画面を見せます。
2015年12月21日午前9時半ごろ、文京区千駄木の住宅で、「白骨化した遺体がある」と110番通報があり、 駆けつけた捜査員が、2階の窓際の部屋で、白骨化した遺体を発見した。 遺体は、高齢の男性とみられ、死後およそ半年が経過しているものとみられている。 遺体が発見された家は、5年ほど前から空き家になっていて、居住していたような形跡はないという。 警視庁は、遺体に外傷がないことなどから、家に忍び込んだ男性が、衰弱死したものとみて調べている。
と、いうことは、去年の6月終わり、そこには……

「去年、僕が撮った写真、妙に手ぶれしてるし、門扉も壊されている。しかも、変な匂いがしてたように記憶してるんだよぉ」
ヒェーーー–==≡≡(((*ノ≧∇≦)ノキャー。
わたくし、怖くなって後方へ走って逃げました。
「あはは、ワトソ子くんが走ったぁ!。異人坂で脅かした時も10メートルは走ったけど、今回は約15メートル!最長不倒距離だよ〜あはは\(^o^)/」
なんて失礼な野郎だこと!まったくぅ!
彼は現場の前で手を合わせています。わたくしも約15メートル離れて手を合わせました。
「さあ、事件解決!呑みにいこっ!」
その後、イタ飯屋に入り、この野郎はワインではなく、焼酎水割のデカジョッキ。。。タオルで顔拭くなっつーの!
「事件解決!キャンティで乾杯!」ってなるところでございませんの?このゲス野郎、独身でいるのが良くわかります。
ロマンスの欠片も持っていません。
ムカッ(-_-メ)!。
わたくし早く独立したいものですわぁ〜。
【完】
「って(*’д’*)、ワッ、ワトソ子くん、無口の裏側で、そんな風に思ってたんか〜い⁈」
「はい、、、」
「ヽ(`Д´)ノ オイッ!」
「シ━━(-ω-)(-ω-)(-ω-)━━ン」
ますます寡黙になるワトソ子くんであった。
【追記】
2916年8月、ワトソ子くんの報告によると、事件のあったおばけ屋敷は解体され、新築工事中とのことです。
また一つ、事件が闇に消えていきます。
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