前回の椿山荘の項で調査した明治の目白台地豪邸群に、あまり知られていない小布施邸の名。

あっ!そういえば、小布施坂ってあったっけ!
あっ(・ω・ノ)ノ!
しかも、憧れのFB友、目白台のビューティーマダム・マユミィさんの家に近いぞ!
私とのシンクロ率抜群な彼女、また何かシェア投稿しています。ん?
「How to get a BIKINI body…」ですと?
ビキニなんて持ってないわいっヽ(`Д´)ノ
全くシンクロしていないようです。
坂道探偵、単独調査開始です!
小布施坂
小布施坂とは、明治時代、株式の仲買で財をなした小布施新三郎(初代と二代目がいます)という人物の屋敷があったところなのでこう呼ばれています。
江戸時代、鳥羽藩主稲垣摂津守の下屋敷と、その西にあった岩槻藩主大岡主膳正の下屋敷の境の野良道を、宝暦11年(1761)に新道として開いた。その道がこの坂である。 坂の名は、明治時代に株式の仲介で財をなした小布施新三郎という人の屋敷がこのあたり一帯にあったので、この人の名がとられた。古い坂であるが、その名は明治のものである。 東京都文京区教育委員会 昭和63年3月
坂道説明板にある「鳥羽藩主稲垣摂津守の下屋敷と、その西にあった岩槻藩主大岡主膳正の下屋敷の境の野良道」というのはピンクのラインです。

坂名もなかったらしく、境界線が描かれているだけです。
明治の地図を見ると、
現在、高台にある公園と、隣接する豊明小学校あたりに屋敷が存在していたことになります。

アララギ派の歌人・小説家、長塚節(明治12年(1879年)ー大正4年(1879年))には小布施家へ養子縁組した実弟の順次郎がいます。
長塚節は喉頭結核にかかり、しばらくここ小布施邸に滞在し、東京で治療を続けます。しかし改善が観られず、名医を求めて各地を転々とします。大正4年、九州帝大病院隔離病棟で亡くなるのですが、お通夜は小布施邸で行われています。享年35歳。ここでそんなこともあったかと思うと涙腺が緩みます。

公園の脇に小布施坂はあり、ちょうど、小布施邸の敷地を取り巻くように曲がりながら下っています。日無坂同様に奥行きの長い階段があり、味のある坂です。

初代小布施新三郎は、丁稚奉公から身を立てた人物。で、あるからなのか、愛嬌があり、庶民的だったと伝わっています。
偉人の趣味
大富豪、小布施新三郎はこの坂でよく目撃されたらしく、いつの頃からか小布施坂と呼ばれるようになりました。
歩いて何を探索していたかというと、仏像の形に似た石ころ。
椿山荘の五百羅漢を想像しますが、小さなものだったらしく、何とも庶民的な趣味です。
足尾鉱毒事件で有名な田中正造にも似たような趣味があり、道で倒れて亡くなった時、懐には近所の子供たちにあげるために拾った変わった形の石ころがあるだけだったそうです。
泣けてくるけど(p_q、)、偉人の趣味は変わっていますね(^_^)。
目白御殿(田中角栄邸)があった辺りの幽霊坂は角栄坂と呼ばれても不思議ではありませんが、角栄さんは坂を散策していなかったようです。
お国の大人物ですからねー。
何かあったら大変です。幽霊坂の下には今でも警察官詰所が残っています。
新しい道
古地図を見ながら小布施坂を下ると、空き地に凹んでいる箇所が!。これは小布施邸内の庭、池があった辺りです。
それにしても小布施邸は大きな敷地だったようです。
見渡すと、小布施邸の庭だった辺りは空き地が多いのです。
何故だろう?
坂道探偵社、親愛なる助手のワトソ子くんにメッセして聞いてみましょう。
「坂道社長、その辺りは新道を建設中です」
「え(*’д’*)、そうなんだぁ、どうりで」
「不忍通りが延びてくるようですよ」
「ありゃま!小布施坂が残るかどうか心配だね〜」
心配になり、辺りを探索すると、工事のお知らせの看板が多々あります。環状4号線計画によると、公園、豊明小学校の下をトンネル(赤矢印)が通るようです。
そうすれば、小布施邸跡も小布施坂も残りますね(^_^)。
神田川に掛かる大きな橋(青矢印)も建設中です。
あちこちに立ち退いた空き地が点在しています。
謎の門⁈
もう少し走って広範囲に探索。
どん詰まりの奥の方に味のある階段が見えます。行ってみましょう。
うわわわっ!Σ(@ω@;)
階段の奥には朽ちた門が!
なっ、なんだろう?謎!。
近所のビューティーマダム・マユミィさんに写真をメッセ!
何か知っているか聞いてみましょう。
「知らな〜い、幽霊屋敷みた〜い😱、うらめしや〜」
囧、囧、囧rz、開いた口が塞がりません。
坂道には全く興味のないご様子のマユミィさんであります。
でもなんかカワイイご婦人です,*。;(つ∀`o)゚+゚
ご近所の方が知らないのでは仕方ない!
頼れるワトソ子くんに写真メッセだぁ!
「ワトソ子くん出番だ!」
「坂道社長!興味深い物件ですわ。行きましょう!」
次回「朽ちてゆく門と幽霊坂」ワトソ子くん大活躍の巻。
乞うご期待!
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