文京区鷺坂

鷺坂はお江戸の坂か?

文京区鷺坂
文京区鷺坂入口
文京区鷺坂カーブ部分
文京区鷺坂カーブ部分
鷺坂上の坂
鷺坂上の坂

ロマンあふれる昭和の坂

この高台は江戸時代、老中・久世大和守の屋敷があったため、久世山と呼ばれていました。
ここの近くに住んだ詩人、佐藤春夫、堀口大學をはじめとする文人たちが、万葉集の歌「山城の 久世の鷺坂 神代より 春ははりつつ 秋は散りけり」に因んで「鷺坂」と命名したというロマンあふれる昭和の坂です。
命名者がはっきりしている坂もめずらしいですね。
情緒たっぷり、直角カーブがあり、都内でも有数の急坂、走れば鍛えらる坂です。

鷺坂案内板
鷺坂の案内板。

この坂、文京区の都市景観賞を受賞しています。このプレートの中で「江戸情緒を色濃く残した坂……」とありますが昭和に開削された坂ですよねえ?古い地図で確かめてみました。

むかしの地図で見ると

古地図:大正時代の久世山
古地図:大正時代の久世山

この高台、大正時代の久世山は荒地と果樹ばかりで、遠目に見たら山ですね。鷺坂はまだありません。墓地もあります。

昭和初期の久世山
昭和初期の久世山

昭和になって、住宅地として開発され、新地の表示になって道も整備されてます。青線の部分が鷺坂です。この高台に文人たちが集ったのです。確かに昭和の坂です。

追記

読者の方から、大正13年(1924年)五千分の一東京市小石川区図に鷺坂があるとご連絡いただきました。

鷺坂

大正13年版だと、測量時期は関東大震災前と思われます。逆Z型の鋭角も違うようです。もしかすると震災で崩壊後、もっと鋭角な坂を再開削したのかもしれません。

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